窓の外を巨大な米軍機の轟音がかすめ去るここは東京都下、基地に接した町、福生もう陽射しが高い午後、一九歳のリュウはノロノロと起き出した部屋には昨夜のパーティの男女が死んだように寝ているがリュウは気にもせずアパートを出たフラフラと街を歩くリュウは、飯場のアルバイトの金を届けに来たヨシヤマと会った油くさいスパゲッティを胃につめ込みながら、ヨシヤマはとめどなく喋り続けた女、仲間、ヘロインのこと、麻薬まがいを血管に打って死んだ男のこと……リュウの一日はこのように始まる明日も、その次の日も同じようなものだろうそんなリュウの空虚な毎日に存在感をえる人間がいたリリー、すでに三十歳を過ぎた子持ちで、外国人バー街に店を持つヤクの常習者だリリーと会っている時だけリュウは人間との触れ合いを覚え、十九歳の少年に戻るリリーとりュウはしばしばベッドをともに...
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